腰痛と関節痛

■ 腰痛と関節痛の漢方治療

 どの関節痛も,その周囲の筋肉や腱が強張って生じることがほとんどです。治療せずそのままにしておくと骨にも負担が掛かりますし,骨に異常が見られる場合は比較的重症です。
 生活習慣が原因となっていることが多いですが,体質的な要因も大きいと考えます。
 神経痛と重なる特徴もあり,しびれを伴うこともあります。

 首(頸):顎や肩の痛みに伴って生じることが多いです。病症には「顎(がく)関節症、肩関節周囲炎、五十肩、頸椎ヘルニア」などがあります。

 顎(あご):主に「顎(がく)関節症」ですが,同時に首周囲も強張りやすくなります。

 肩:「重度の肩こり、肩関節周囲炎、五十肩」以外に,心疾患(「狭心症、心不全」)でも見られることがあるため注意が必要です。

 肘(ひじ):単純な肘関節痛の他,首や肩にも痛みが生じる「頚肩腕(けいけんわん)症候群」と呼ばれる病症があります。

 手指:比較的重度の「腱鞘炎」や「ばね指(弾発指)」で起こる他,「関節リウマチ」の影響が現れやすい部分でもあります。

 背:「姿勢が悪い、長時間の固定姿勢、胃腸病・肝臓病・心臓病・呼吸器疾患を患っている、椎間板ヘルニア」などにより現れることが多いです。

 腰:「姿勢が悪い、長時間の固定姿勢、腎臓病や婦人病を患っている、腰椎ヘルニア、ぎっくり腰」などにより現れることが多く,股関節痛や坐骨神経痛を伴うこともあります。

 股:単独で生じる他,腎臓病や婦人病を患っている場合に,腰痛に伴って現れることがあります。

 膝(ひざ):関節痛の中では最も多く見られます。右が痛めば左で保護している内に左も痛み出し,その痛みは上に進めば首に達し,下に進めば足首に達することもあります。身体の移動には最も重要な関節ですし,拗(こじ)れると治りが悪くなりやすいため,早めの治療開始が望ましいです。「痛いために充分な運動ができない → 運動不足で血行が悪くなり病状も悪化」という悪循環に陥りやすいです。

 足脂:一般的には「歩き過ぎ」や「サイズが合っていない靴を履き続ける」などの改善しやすい原因が考えられますが,病症として挙げられる内的な要因によるものに「痛風」があります。

※上記中の「ヘルニア」は,はっきりとした重症でなければ漢方で治療できます(ただし,手術後は難しいケースが多いです)。

 本ページは「“痛み”の病気」中の「関節痛(首、顎、肩、肘、手指、背、腰、股、膝、足脂)」とほぼ同じ内容です。その他の“痛み”の病気についても述べておりますので併せてご覧ください。

更新:2023/07/26


Copyright© Morinaga-Kanpou Pharmacy Co.,Ltd. All rights reserved.
 ホーム