気管支喘息

■ 気管支喘息の漢方治療

 気管支喘息は“息苦しい(呼吸困難)”や“喘鳴(ぜんめい)”を特徴とする呼吸器疾患で,“激しい咳”や“痰(たん)”を伴うことが多いです。重症になると呼吸困難のため生命にも危険が及びます。

 痰については,非常に多く出るものから全く出ないものまで様々です。中医では痰の多く出るものを「痰湿(たんしつ)」と言い,全く出ないか或いはわずかに気道にこびりついて出にくいものを「肺陰虚(はいいんきょ)」と言います。時には,これら両方が同時にあらわれるケースもあります。

 治療の多くは呼吸器としての「肺」の調整を主体に行いますが,原因によっては「脾(胃腸)」や「腎」も重視します。発作時は激しい症状を抑えることを中心とし,安定時は根本治療を目標に行います。

 多くの痰を伴う喘息の場合,その原因は「脾(胃腸)」にもあります。このケースでは多くが胃腸症状(胃腸が元々弱い、胃もたれなど)を伴っています。痰が薄く水っぽい場合と,黄色を帯びている場合とでは,それぞれ治療薬が異なります。

 また,痰が少ない或いは粘稠で切れにくいという症状は,肺の潤いが不足した場合に現れる症状でして,これには一般に“口渇、便秘”などの症状が伴います。これは特に空気が乾燥し始める“秋”に悪化しやすいケースが多いですが,原因によっては季節に関係なく発作が現れますので注意が必要です。

 また,中医には「腎は吸気を司る」という理論があります。これは呼吸困難などで,空気を吸い込むときに思うように空気が入らず非常に息苦しく感じる症状でして,この症状は一般に高齢者に多く見られ,「腎」の働きが衰えている人に現れます。 

「呼吸器疾患」中でも分けて述べておりますので併せてご覧ください。

更新:2023/07/20


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