季節の病気
季節毎に発症または悪化しやすい病気について

■ 花粉症(花粉アレルギー)

 春は,自然界の動植物が眠りから覚め,その活動が活発になる季節です(木の芽時とも呼ばれます)。また,この時期は冬から夏へ移行する時期でもあり,気候が不安定で,とくに風が比較的強く吹き荒れる傾向があります。そのため,呼吸器や皮膚、粘膜の弱い人はその影響を強く受けるようになります。

 風は様々なものを運んできますが,ここでお話しする「花粉」はその代表的なものと言えるでしょう。現代では,日本において本病で苦しまれている人は膨大な数に上ると言われています。
 風によって運ばれてきた花粉の粒子が,人の皮膚や粘膜に付着しますと,これに敏感な人はすぐにアレルギー反応を起こします。
 鼻の粘膜に付着しますと“激しいクシャミ、鼻水、鼻づまり”などが現れますし,目の粘膜に付着しますと“涙が多い、まぶたが赤く腫れ上がる、目が充血する、目が痒い”などの症状に襲われます。
 「アレルギー性鼻炎」ですと,単に鼻炎の症状だけで済むケースが多いですが,「花粉症」の場合は鼻炎の症状だけでなく目にも症状が現れ,目の粘膜に炎症を起こして上記のようなつらい症状を併発します。「花粉症」と「鼻炎」の違いはここ(その程度と範囲)にあると言っても良いでしょう。

 中医には,「皮膚は肺に属す」、「肺は鼻に開竅する」、「肺気は鼻に通じる」などの理論があります。これはみな肺と鼻、皮膚、粘膜が密接な関係にあることを説いています。(分かりやすくお話ししますと,実際に肺、皮膚、粘膜、鼻は,それぞれ外気に直接触れる点では共通しています。)つまり,鼻や皮膚、粘膜にトラブルが発生しやすいのは,その原因が(五臓の内の)肺にあり,また肺の弱い人は鼻や皮膚、粘膜も弱く,トラブルが発生しやすいという訳です。

 「花粉アレルギー」で現れる症状は人により様々です。軽い場合は軽度な目の痒み、クシャミ、鼻水程度で済みますが,重症になりますと白目が真っ赤に充血し,まぶたが赤く腫れて水疱などができたり,激しい炎症を起こして強いカユミを発し,クシャミ、鼻水、鼻づまりも激しくなります。また,中には咳や呼吸困難などの呼吸器症状や他のアレルギー性疾患(例えば「アレルギー性気管支喘息」や「アトピー性皮膚炎」など)を併発しているケースもありますので,これらも含めた治療を考えなければなりません。
 また,花粉症を発症する方は,発作時は“涙目”や“鼻水”の症状が現れやすくなりますので,日頃は“水分の摂り過ぎ”に注意が必要です。水分の過剰摂取によって粘液などの分泌物が増加する結果,過敏反応も増大するといった悪循環に陥ることになりますのでご注意ください。

 漢方治療の特徴は,すべての病気に対して症状特徴や体質の違いに応じてお薬を使い分ける点にあります。これは「花粉アレルギー」の治療でも全く同様です。治療に当たり何よりも大切なことは,各人の病状に最も適したお薬を使用することと,日常生活における飲食面での注意点の遵守です。

 漢方治療では,どの植物の花粉が原因になっているのかということはほとんど重視しません。あくまでも体質や病状に基づいて治療薬を選定します。ですから,同じ「花粉症」でも人によっては用いる漢方が異なります。(逆に,異なる病症であっても同一のお薬で治療を行うことがあります。)

 「花粉アレルギー」は漢方によって改善できますし,重症化の予防もできます。

 上記は「鼻の病気」中の記事とほぼ同じ内容です。その他の鼻の病気についても述べておりますので併せてご覧ください。

更新:2023/07/24

■ 冷房病(真夏の冷房・冷飲にご注意を!)

 お住まいの地域によって差はありますが,真夏の暑さには冷房設備が欠かせないことも多く,一面ではこのお陰で快適に過ごせます。しかし反面,この冷房によって体調を狂わせてしまうケースもまた多く見られます。
 とくに日頃から体力がなく,寒がりで冷え症の方が冷房のきいた職場で長時間あるいは一日中過ごすのはとてもつらいことです。「冷房病」という呼ばれ方があるくらいですから,決して軽く考えてはならないでしょう。

 冷房による病気は,中医では「外感風寒」の病症と考えます。これは,冷たい風に当たって発生する病症です。この風寒の病邪が体の表面から侵入して体表の陽気(体の表面を温める機能、一種の抵抗力のこと)が抑えられますので,悪寒(さむけ)を発し、時には熱っぽくなってカゼの症状が現れ、またカゼの病状が抜け切らず“頭痛、頭重、寒気、関節痛、だるさ”などに悩まされます。
 とくに女性にはこの冷気の影響を受けて月経異常や自律神経の失調を起こしやすい傾向があります。「冷房病」はみなこのようにして発生します。
 さらにまた,この冷気が身体の内部(主に胃腸)にまで入り込んでしまうケースもあり,この場合は胃腸が冷えたために下痢や腹痛などを起こすようになります。暑さで寝苦しい際にお腹を出したまま寝冷えし,お腹が冷えて発する症状もこれと同様です。また暑さのために,つい冷たい飲み物や果物などを多く摂るようになりますので,この影響で上述の胃腸症状を発するものもあります。さらにまた,冷房に当たりながら冷たいビールなどを飲むことによっても“寒気、頭痛、腹痛、吐き気、下痢”などが生じやすくなります。
 いずれも身体を過度に冷やしたために発生する症状です。

更新:2023/07/24

■ 夏の胃腸症状と夏バテ

 気温が高くなる真夏はどうしても普段より冷たい飲食が増え,お腹を出したまま寝て冷やしてしまい,そのため胃腸を中心とする消化器官の働きが弱って,種々の胃腸症状を起こしやすくなります。
 夏バテによく見られる症状には「胃痛、腹痛、下痢、嘔吐」などがあり,その他「頭痛、頭重、発熱、体が重く怠い」なども併発しやすいです。
 冷たい物を摂り過ぎますと,胃腸の陽気が抑えられ,消化吸収の機能が弱って飲食物が胃腸内に長時間停滞するようになります。胃に停滞しますと嘔吐を起こし,腸に停滞しますと下痢になります。胃腸にものがたまりますと,腹が脹る、胃痛、腹痛などを発しやすくなります。とくに,夏に胃腸が冷えて激しい嘔吐や下痢を引き起こす病症で程度が重い場合を「霍乱(かくらん)」と呼びます。

 治療に使用する漢方は種々ありますが,その選定にはやはり専門的な見極めが必要です。
 “胃腸は元気の根源”ですから,胃腸が弱りますと身体全体が弱ってしまいます。また,食中毒にもかかりやすくなります。夏はとくに胃腸を大切にしましょう。

更新:2023/07/24

■ 夏の身体のだるさ

 暑い夏は発汗が盛んになり,水分の補給が必要になる季節です。そして,氷を入れて冷した水やお茶、清涼飲料水やビールがとてもおいしく感じる季節です。発汗過剰は“夏バテ”の一つの原因と言えますが,それ以上にこの時期は胃腸の弱い方にとっては油断できない季節でもあります。
 暑い暑いと言って冷たい飲み物を摂り過ぎますと,胃腸機能が弱り,摂取した水分を体内に吸収することができなくなって,そのまま排泄されます。これが下痢です。

 中医には「脾は湿をにくむ」という理論があり,「脾」はとくに過剰の水分を嫌う性質があり,水分を多く摂り過ぎますとこれを吸収、代謝させる働きが低下してしまいます。また,それと同時に余剰の水分が体内に「湿」となって残留し,後に様々な全身症状を発生させます。「体が重く怠い、夏カゼが抜けない、微熱が続く、食欲減退、吐き気・嘔吐、腹部膨満感、痰(たん)が湧く、頭痛・頭重、口が粘る」などの症状がそれです。さらに冷房で身体が冷え過ぎると,これらの症状が益々強く現れるようになります。
 日本は海に囲まれた島国でもともと湿気が多く,そのため夏は高温多湿となり,このことだけでも湿気の影響を受け易くなっているところで水分を過剰に摂るのですから,体内が湿気の病邪(「湿邪」)で一杯になってしまいます。湿気は水分の一種であり,これが体内に停滞しますと身体をとても重く怠くさせます。これがすなわち,“夏バテ”です。
 湿邪は去りにくく,身体にまとわり着いてなかなか除去しにくいと言われています。また湿邪は痰(たん)や水腫(浮腫)の発生原因にもなります。
 夏は過剰の水分摂取や、糖分、濃いお茶、生ものなど,からだに湿邪を生むような飲食物はできるだけ控えるようにしましょう。そして,「湿」を除いて体をスッキリさせましょう。

更新:2023/07/24

■ 夏に悪化しやすいアトピー性皮膚炎

 皮膚病(とくにアトピー性皮膚炎)は,鼻病や呼吸器疾患と同様に,気候が乾燥する秋季に悪化する傾向があるのですが,「アトピー性皮膚炎」の場合にも暑熱の激しいこの夏季に悪化しやすいものがあります。炎症部分が“熱をもって赤くなり,浸出液が出る”などの状況を呈しているものがそれです。“強い暑熱や発汗による刺激によって炎症が悪化し,あるいは暑いために水分を過剰に摂取することによって患部からの浸出液が増える”などの要因が考えられます。
 紫外線を避けることはある程度必要ですが,この時期はとくに赤外線(熱線)を避けることの方が重要です。

更新:2023/07/24

■ 猛暑の後遺症

 夏の暑さは心臓に負担が掛かります。気温が上昇すると発汗が多くなりますが,実は発汗は心臓にとって大変負担になります。
 中医には,「心は血をつかさどり,汗は則ち血の余なり。汗は心の液なり」という理論があります。汗が出過ぎると,同時に人体の陽気(活力)も消失して体力が低下します。これが夏バテと言われる現象です。そこで水分の補給が必要になるのですが,実はこの水分の摂り方に問題があるケースが多いです。
 ある意味で消化機能全体を調節していると言ってよいほど重要な臓腑に「脾(ひ:主に胃腸の働きを指す)」があります。脾は栄養分を消化吸収する上で非常に重要な役割を果たしているのですが,この脾には「湿気を嫌う」という性質があり,暑いからといってガブガブと冷たい飲み物を取り過ぎますと,この脾の働きが弱って,摂取した水分の代謝が悪くなり,体内に湿気が残ってしまいます(これを「痰湿」と言います)。脾が弱りますと肺も弱ります(これを「脾肺両虚」と言います)。

 秋の乾燥と冷えは肺に負担がかかります。夏バテで体内にたまった湿気は濃縮されて痰(※)となり,肺の機能を阻害します。こうして発生するのが「気管支ぜんそく、呼吸困難、咳(せき)、クシャミ、鼻水、鼻づまりなどの鼻炎症状」です。
 秋は必ずと言って良いほど「肺」と「鼻」の症状が多く発生します。こ注意を!

※痰(たん):広義には,身体の至る所に停滞しうる粘稠性の不浄な体液を言います。また狭義には,気道や咽喉部で発生し,咳払いをした際などに口から吐き出す痰(喀痰)を指します。

更新:2023/08/28

■ 秋に発病しやすい病気と治療

 執筆未定

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■ 肺の病気とその症状

 執筆未定

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■ カゼをひきやすい

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■ 「咳」が長引いて治らない・・・

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■ 慢性鼻炎・アレルギー性鼻炎

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■ 老人性(乾燥性)皮膚掻痒症

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■ 夜間頻尿

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■ 便秘症

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■ 冷えによる“ヒザ関節の痛み”

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■ フケ症

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